術数関連論文の140字提要をTwitter上に掲載しております。
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劉楽賢「従出土文献看兵陰陽」
出土文献中の術数文献(各種『日書』、馬王堆漢墓帛書『五星占』『天文気象雑占』等)と陰陽家文献(銀雀山漢簡『地典』、張家山漢簡『蓋廬』、子弾庫楚帛書、銀雀山漢簡「陰陽時令類」文献、虎渓山漢簡『閻氏五勝』等)を比較し、術数は技術操作を重視する特徴がある一方、陰陽家は術数の学から生まれ出て、これを理論化、哲学化した内容であり、当時において儒家道家など諸子と並べられる存在であったとする。

劉楽賢「従出土文献看兵陰陽」(『清華中文學林』第1期、2005年)。
http://nthur.lib.nthu.edu.tw/handle/987654321/78522
後、劉楽賢『戦国秦漢簡帛叢考』(文物出版社、2010年)に収録。

新刊情報『怪異を媒介するもの』

アジア遊学 187『怪異を媒介するもの』が出版されました。当会関係者も多数執筆担当しております。

  

  東アジア恠異学会 編
  『怪異を媒介するもの』(アジア遊学 187)
  定価 3,024円 (本体2,800円)
  刊行年月 2015年8月
  ISBN:9784585226536

勉正出版HP
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=100504

アマゾンHP
http://goo.gl/alrEoQ

目次

はじめに 大江篤

Ⅰ 記す・伝える
霊験寺院の造仏伝承―怪異・霊験譚の伝播・伝承 大江 篤
風土記』と『儀式帳』―恠異と神話の媒介者たち 榎村寛之
コラム◎境界を越えるもの―『出雲国風土記』の鬼と神 久禮旦雄
奈良時代・仏典注釈と霊異―善珠『本願薬師経鈔』と「起屍鬼」 山口敦史
コラム◎古文辞学から見る「怪」荻生徂徠『訳文筌蹄』『論語徴』などから 木場貴俊
「妖怪名彙」ができるまで  化野燐

Ⅱ 語る・あらわす
メディアとしての能と怪異  久留島元
江戸の知識人と〈怪異〉への態度―〝幽冥の談〞を軸に 今井秀和
コラム◎怪異が現れる場所としての軒・屋根・天井 山本陽子
クダンと見世物 笹方政紀
コラム◎霊を捉える―心霊学と近代の作家たち 一柳廣孝
「静坐」する柳田国男 村上紀夫

Ⅲ 読み解く・鎮める
遣唐使の慰霊 山田雄司
安倍吉平が送った「七十二星鎮」 水口幹記
コラム◎戸隠御師と白澤  熊澤美弓
天変を読み解く―天保十四年白気出現一件 杉岳志
コラム◎陰陽頭土御門晴親と「怪異」 梅田千尋
吉備の陰陽師 上原大夫  木下浩

Ⅳ 辿る・比べる
王充『論衡』の世界観を読む―災異と怪異、鬼神をめぐって 佐々木聡
中国の仏教者と予言・讖詩―仏教流入期から南北朝時代まで  佐野誠子
コラム◎中国の怪夢と占夢  清水洋子
中国中世における陰陽家の第一人者―蕭吉の学と術 余欣(翻訳:佐々木聡・大野裕司)
台湾道教の異常死者救済儀礼   山田明広
コラム◎琉球の占術文献と占者 山里純一
コラム◎韓国の暦書の暦注  全勇勳
アラブ地域における夢の伝承 近藤久美子
コラム◎〈驚異〉を媒介する旅人 山中由里子


佐々木聡「王充『論衡』の世界観を読む」、清水洋子「中国の怪夢と占夢」、余欣「中国中世における陰陽家の第一人者」、山里純一「琉球の占術文献と占者」等、術数に関連した論考も多く掲載されております。特に全勇勳氏による「韓国の暦書の暦注」は、本邦初の韓国人研究者による韓国暦書の本格的紹介であり、必読の内容になっております。

京都大学人文科学研究所
共同研究「東アジアの宗教文化と自然学」
研究会の情報を転載いたします。

◆「東アジアの宗教文化と自然学」研究会
8月1日(土)、13時〜17時
(★今回は土曜開催、13時からです★)
場所:人文科学研究所本館、4階大会議室

発表
名和敏光
「馬王堆帛書《陰陽五行》甲篇全體構造の復原について」

※休日ですので、会場建物は施錠されています。
開始時間13時の前後30分、12時半から13時半までは解錠されますので、この時間帯に入館していただきますようご協力をお願い致します。
これ以外の時間帯にお越しになる方は、東側玄関に掲示の方法で外からご連絡ください。
どうぞ宜しくお願い致します。

※当日は、班員外の方でも自由にご参加いただけます。
多数のみなさまのご来場をお待ちしております。

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中村璋八「中国思想史上における術数」(『東洋の思想と宗教』第14号、1997年)

術数(数術・方技・方術)の概念とその変遷について、歴代の図書目録および正史方術伝等を検討し、術数が形を整え、各時代に引き継がれて展開し、長期にわたって漢民族に浸透して行ったこと、術数の内容が時代によって必ずしも同じではないこと、を略述する。(文責:大野裕司)

東アジア恠異学会第98回定例研究会(2015年4月19日13時、園田学園女子大学30周年記念館3階特別会議室)にて、当会の前原あやのが「中国天文学における五星、五帝と五行思想」と題し研究発表を行います。詳しくは下記東アジア恠異学の公式サイトをご覧ください。
http://kaiigakkai.jp/invitation.html


以下公式サイトを転載させていただきます。
東アジア恠異学会第98回定例研究会
日時: 2015年4月19日(日)13時
場所:園田学園女子大学 1号館2階第3会議室
(会場が「30周年記念館3階特別会議室」から変更になりました、ご注意ください)

内容:

○「瑞兆の政治学〜播磨赤松氏白旗降下伝承の変容について」
 ー荻能幸氏(東アジア恠異学会会員)

【要旨】
中世播磨の守護大名・赤松氏には、江戸時代以降、白旗降下にまつわる始祖伝説が語られている。
この伝承の起源は、『建内記』『満済准后日記』などの中世史料から、南北朝時代初め、赤松氏大成の基となった建武3年(1336)の白旗城合戦と室町幕府の成立までさかのぼることができる。
この伝承の成立に際し、「白旗降下」という「奇瑞」が、どのような人々の政治的な意図によって持ち出され、中央政界に媒介され、万里小路時房や醍醐寺三宝満済といった室町幕府の中枢に近い貴紳に受容されたのか、また、この伝承が戦国期以降の近世社会の成立という大変動期を経て、播磨という一地域に根付くことになったのか、これらの経緯について考察する。

○「中国天文学における五星、五帝と五行思想
 ー前原あやの氏(関西大学

【要旨】
中国では、恒星とは異なる動きを見せる五星(五つの惑星)に古くから着目し、暦学における運行周期の推算、天文占における五星占が、正史の律暦志や天文志、あるいは『開元占経』などの天文書で言及されてきた。五星にはそれぞれ異なる性質が附与されるが、それらは五星の運行や色といった諸要素から導き出される。本発表では、中国天文学において五星がいかに記述され、それらと五帝や五行思想との連関について整理し、中国天文学史上の五星の位置付けについて考察する。
また、合わせて個々の天文書の記述を比較・検討することの重要性についても言及したい。

奈良場勝先生連続講座 「江戸時代、易占術のいろいろ」

NHKカルチャーセンター青山教室の情報を転載いたします。

近世易学研究』の著者である奈良場勝先生による
NHKカルチャーセンター青山教室での連続講座
「江戸時代、易占術のいろいろ」が4月から始まります。
くわしくは公式サイト
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1050901.html
をご覧下さい。

以下、公式サイトからの転載させていただきます。

日程

2015/04/04(土) 易と陰陽五行の発生
2015/05/02(土) <断易>の発展について
2015/06/06(土) <八卦>という多面的な易占術
2015/07/04(土) 単なる暦ではない<古暦>
2015/08/01(土) <周易>の現代までの道のり
2015/09/05(土) 江戸時代の易占家に学ぶ

場所
東京都港区南青山1-1-1
新青山ビル西館6階602教室

受講料(税込み) 19,440円

 古代中国に生まれた易占は現代まで長く続いています。その占法は古代から現代に至るまで一貫して変わっていないように思われますが、少なくとも江戸時代にはいくつかの易占のバリエーションが生まれていたことがわかっています。講座では現存する資料によって実際に易占を行ないながら、易と陰陽五行の発生から易占いとは何か、さらに当時の易占の考え方や方法について理解を深めていきます。