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小松和彦「占いの精神史」
 「うら」とは裏・心を意味し「占い」はそのような五感では把握しえない裏の領域の状態や動きを特別な方法で知ることとし、その例としていざなぎ流の占い等を挙げる。このように「裏」の世界の情報を収集して幸せを求める「占い」であるから、その占い文化から眺め直した(つまり「裏」から見た)日本人の精神史が必要であることを筆者は訴える。
 最後に「残念なことに、私たちはまだ詳細な「日本占い文化史」を一冊も所有するに至っていない」と述べるが、その状況は現在も変わっていない。

小松和彦安倍晴明「闇」の伝承』(桜桃書房、2000年)所収。