東アジア恠異学会第90回定例研究会の情報を転載いたします。

日時: 2014年3月8日(土)15時〜
場所:園田学園女子大学 1号館122教室
内容:

○「道教では縊死者をいかにして救済するのか —台湾南部地域を例として—」
 ー山田明広氏(関西大学非常勤講師)

【要旨】
 中国や台湾をはじめとする中華文化圏においては、人が死去した場合、しばしば、道士あるいは僧侶を招いて、
「功徳」ないしは「斎」と呼ばれる追善供養の儀礼が行われる。このうち道教式の功徳は、道教の伝統的な「黄籙斎」
の系譜に連なるもので、数個から数十個の「科目」により構成されるが、その構成内容や順序はかなりの程度固定化
されている。ただ、救済の対象である亡魂が難産死や溺死、縊死などといった異常と認められるような死因により死亡
した場合には、通常死の場合には見られない特殊な科目ないしは功徳を行う必要が生じる。
 本報告では、このような道教の異常死者救済儀礼のうち、台湾南部地域において縊死者を救済するために行われる
「解懸放索」あるいは「絞台放索」と呼ばれる儀礼を取り上げ、その内容および儀礼構造を分析し、なぜこのような
儀礼が行われるのか考察するとともに、儀礼の地域的差異や歴史的変遷についても言及したい。

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