東アジア恠異学会第98回定例研究会(2015年4月19日13時、園田学園女子大学30周年記念館3階特別会議室)にて、当会の前原あやのが「中国天文学における五星、五帝と五行思想」と題し研究発表を行います。詳しくは下記東アジア恠異学の公式サイトをご覧ください。
http://kaiigakkai.jp/invitation.html


以下公式サイトを転載させていただきます。
東アジア恠異学会第98回定例研究会
日時: 2015年4月19日(日)13時
場所:園田学園女子大学 1号館2階第3会議室
(会場が「30周年記念館3階特別会議室」から変更になりました、ご注意ください)

内容:

○「瑞兆の政治学〜播磨赤松氏白旗降下伝承の変容について」
 ー荻能幸氏(東アジア恠異学会会員)

【要旨】
中世播磨の守護大名・赤松氏には、江戸時代以降、白旗降下にまつわる始祖伝説が語られている。
この伝承の起源は、『建内記』『満済准后日記』などの中世史料から、南北朝時代初め、赤松氏大成の基となった建武3年(1336)の白旗城合戦と室町幕府の成立までさかのぼることができる。
この伝承の成立に際し、「白旗降下」という「奇瑞」が、どのような人々の政治的な意図によって持ち出され、中央政界に媒介され、万里小路時房や醍醐寺三宝満済といった室町幕府の中枢に近い貴紳に受容されたのか、また、この伝承が戦国期以降の近世社会の成立という大変動期を経て、播磨という一地域に根付くことになったのか、これらの経緯について考察する。

○「中国天文学における五星、五帝と五行思想
 ー前原あやの氏(関西大学

【要旨】
中国では、恒星とは異なる動きを見せる五星(五つの惑星)に古くから着目し、暦学における運行周期の推算、天文占における五星占が、正史の律暦志や天文志、あるいは『開元占経』などの天文書で言及されてきた。五星にはそれぞれ異なる性質が附与されるが、それらは五星の運行や色といった諸要素から導き出される。本発表では、中国天文学において五星がいかに記述され、それらと五帝や五行思想との連関について整理し、中国天文学史上の五星の位置付けについて考察する。
また、合わせて個々の天文書の記述を比較・検討することの重要性についても言及したい。