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阪神中哲談話会第399回例会(2014年11月29日、大阪府茨木市市民会館(ユーアイホール)501号室)にて、当会の大野裕司が「戦国時代から秦漢時代に至る術数の変遷」と題し研究発表を行います。詳しくは下記公式サイトをご覧ください。
https://sites.google.com/site/banshenzhongzhetanhuahui/
中国出土資料学会平成26年度第2回例会(2014年12月6日12:30、大正大学1号館2階大会議室)にて当会の大野裕司が「陰陽五行説の成り立ち試論‐十干十二支・数字卦・清華簡『筮法』を用いて‐」と題し研究発表を行います。詳しくは下記公式サイト案内(PDF)をご覧ください。
http://www.shutsudo.jp/2014reikai2-2.pdf
「陰陽五行説の成り立ち試論‐十干十二支・数字卦・清華簡『筮法』を用いて‐」
発表概要:
かつて梁啓超によって「二千年来の迷信の大本営」とされた陰陽五行説であるが、それはまた同時に中国人の宇宙論の根幹を成すものであり、中国理解のためには陰陽五行説を欠くわけにはいかない。陰陽五行説の歴史的な研究、特にその成立過程に関する研究は、その後夥しい数の研究が発表されたにも拘わらず、使用できる資料自体がそもそも梁啓超の時代とさほど変わらないこともあり、あまり進展はしてこなかった。が、ここ数年でそのような状況は大きく変わった。
近年の戦国秦漢時代の墓地よりの大量の文献、特に術数文献の出土である。このことに関しては既に李零氏による先駆的な指摘があるが、本格的・全面的な検討はまだなされていない。本発表では出土術数文献の中でも特に清華簡『筮法』を用いて陰陽五行説の成り立ちについて検討を行いたい。『筮法』は二元論・四元論・八元論・十元論・十二元論を組み合わせた占いであり、二元論と五元論の組み合わせである陰陽五行説と如何なる関係にあるかを考察することで、その成り立ちを探ることができると思われる。方法としては殷周時代考古遺物に見える数字卦や、張光直氏によって指摘された殷周礼制における二分化現象等との関連性から考察を行う予定。
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東アジア恠異学会第90回定例研究会の情報を転載いたします。
日時: 2014年3月8日(土)15時〜
場所:園田学園女子大学 1号館122教室
内容:
○「道教では縊死者をいかにして救済するのか —台湾南部地域を例として—」
ー山田明広氏(関西大学非常勤講師)
【要旨】
中国や台湾をはじめとする中華文化圏においては、人が死去した場合、しばしば、道士あるいは僧侶を招いて、
「功徳」ないしは「斎」と呼ばれる追善供養の儀礼が行われる。このうち道教式の功徳は、道教の伝統的な「黄籙斎」
の系譜に連なるもので、数個から数十個の「科目」により構成されるが、その構成内容や順序はかなりの程度固定化
されている。ただ、救済の対象である亡魂が難産死や溺死、縊死などといった異常と認められるような死因により死亡
した場合には、通常死の場合には見られない特殊な科目ないしは功徳を行う必要が生じる。
本報告では、このような道教の異常死者救済儀礼のうち、台湾南部地域において縊死者を救済するために行われる
「解懸放索」あるいは「絞台放索」と呼ばれる儀礼を取り上げ、その内容および儀礼構造を分析し、なぜこのような
儀礼が行われるのか考察するとともに、儀礼の地域的差異や歴史的変遷についても言及したい。